▶︎POP-UP
Marshall「SOUND & VISION」
好きな曲を、いつでもどこでも聴ける。再生機器の発達によって、音楽は持ち歩けるようになり、いまや常にわたしたちの側にある。スマートフォンやワイヤレスイヤホンがそうした自由をもたらす一方で、ひとつの音が身体を揺らし、見知らぬ誰かとの距離まで変えてしまう──そんな魔法のような音楽の放つ可能性に、いまどれほど出合えているだろうか。
Marshallが9月28日(月)までWORKSOUT AOYAMAで開催しているポップアップ「SOUND & VISION」は、そうした音楽の計り知れない魅力を音と映像で体感できる場所だ。
会場には、黒に統一されたデザインを特徴とする「Pitch Black Collection」のヘッドホンとポータブルスピーカー、計4モデルが並ぶ。そのデザインが表現するのは、夜の街へ繰り出すときの「何が起きてもおかしくない」エネルギー。そして、その世界観をひらくのが、パリを拠点とするPermanent Filesと共創した映像インスタレーションである。
Permanent Filesは、世界的なブランドと多数のプロジェクトを手掛け、いま最もホットなクリエイティブディレクター(CD)と言っても過言ではないラムダン・トゥアミと、パリを拠点に活動するCDで映像作家のレオナール・ヴェルネが共同設立したギャラリー兼クリエイティブエージェンシーだ。本作のクリエイティブディレクションを担ったヴェルネは、Marshallのアーカイブをたどりながら、音楽が人々に及ぼしてきた影響を映像に織り込んでいる。
見るとアイコニックなMarshallのギターアンプとともに、ジミ・ヘンドリックスやトーキング・ヘッズ、ウータン・クラン、ニルヴァーナなど、偉大なミュージシャンたちの姿が次々と現れ、合間にはアニメーションや幾何学模様、音が人から人へ伝わっていくようなイメージがサブリミナルに差し込まれていた。
ヴェルネが「音楽の科学と、その文化的な影響の両方を語るコラージュ」と言うように、この作品は時代やジャンルを軽やかに行き来しながら、音がわたしたちの身体と文化をどう揺さぶってきたかを詩的に浮かび上がらせる。
制作に向けてMarshallのアーカイブをたどるなかで、とりわけ心を引かれたものがあったかと訊くと、彼は「目には見えない音楽の働き」と答えた。ライブ会場で観客同士の脳波も同期する──そんな研究があった、と。
「アートは空間を飾り、音楽は時間を飾る」。ヴェルネが引いたバスキアの言葉を借りるなら、映像と音に身を委ねる「SOUND & VISION」でのひとときは、近すぎて見えにくくなっていた魔法にもう一度触れ、思考や感覚を彩るきっかけになりそうだ。
EVENT DATA
「SOUND & VISION」
会期:2026年9月19日(土) - 9月28日(月)
時間:12:00〜20:00(平日)、11:00〜20:00(土日祝)
会場:WORKSOUT AOYAMA(東京都港区南青山3-17-6)
入場料無料、事前予約不要
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(Edited by Erina Anscomb)
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